6号機です。NECがDOS/V機陣営の攻撃に撃って出たハイパフォーマンスマシンです。それまで、PC98系統には互換機メーカーはあったものの、純正マシンへの価格的、性能的競争による影響はあまり期待できませんでしたが、さすがに世界的標準機であるDOS/V機の国内発表にはインパクトが大きかったようです。本体価格を下げる事を第一目標に設計されたマシンですので、標準で本体に付属されている機能は最小限になり、あちこちで機能や構造が簡略化されています。当時、普及しつつあったCD−ROMドライブさえ、このマシンでは本体に付いていません。CPUは、i486/20MHzです。何故か、一般的な25MHz動作ではなく、何故か中途半端なクロック周波数となっています。
NECのPC98シリーズには、拡張ボードを装着するための、通称「Cバス」というスロットがありますが、これは、本体カバーを開けずに、スロット部の蓋のみを外せば、拡張作業が簡単にできるのが良いです。
もうひとつ素晴らしいのが、HDDを接続して使う時、旧来からの内部接続のためのSASI方式と、それを発展させて外部規格化したSCSI方式の2通りの接続方法がありますが、混在使用の場合でも、標準で装備されている起動プログラムにより、起動HDDや起動ドライブを選択できる事です。これを巧く使うとドライブの構成順序や起動OSを選択できるようになります。
従来、このマシンに、グラフィックアクセラレーター、SCSIボード、サウンドボードを3基ある拡張スロットに入れ、このWebページのマルチメディア対応編集マシンとして、Windows3.1上で活躍してくれました。
しかし、昨今のこれだけLANやインターネット環境が発達しているこの時期に、LAN環境に関して発展性の少ないWindows3.1で動かしているのがもったいない。と、言うわけで、NEC−PC98環境でも動作するPC−UNIXとして最近脚光を浴びているFreeBSD(98)版をインストールしましたが、何故かLANボード周りの原因不明の動作不良があり、中断。その後、意外にもNEC版Windows95UPGを入手する事ができ、現在ではLAN環境で補助マシンとして活用しています。
今はもう、業務用を除いて供給停止となってしまったNEC−PC9801シリーズですが、日本のパソコン界の一時代を築いたマシンですから大事に使いましょう。