NEC PC9801VX21/VM21
NEC PC9801VX21 私の2台目のパソコン「PC-9801VX21」です。1980年代後半に市販されていました。当時、国内では一般的なアーキテクチャとして、爆発的に普及したマシンですから、今でもどこかでひっそりと動いていても不思議ではありません。特に、現在では、パソコンと言えば、DOS/V系マシンのアーキテクチャが一般的となりましたが、当時、開発された周辺機器やソフトウェアなどのうち、特に機能アップを必要としないもの、或いは、現在では当時の開発環境が無くなってしまい新規開発がストップしてしまったもの、或いは、現在のDOS/V環境では実現不可能なものや、用途を特化した専用マシンなどでは、現在でも現役で動いているPC98マシンがあるそうです。

このマシンの特徴としては、互換性を重視するために、実CPUを2系統、搭載されている事です。当時の一般的な手法であるウェイト挿入や、それ以後に一般的となったソフトウェアエミュレーションでは無く、旧来からの8086-CPU互換のNEC製V30-CPU(8/10MHz)に加え、上位拡張されて処理能力の向上した80286-CPU(8/10MHz)が搭載されています。更に、それぞれに、オプションで浮動小数点コプロセッサ「8087」や「80287」も搭載可能です。クロック切替えで、8/10MHzとあるのは、当時のハートウェア環境でのクロックタイミングは8MHz系(8の倍数系)が主流であったが、このマシンの時点で、CPUが10MHz系(10の倍数系)に2MHz分、高速化された為、差分のタイミングが違うと動作しない周辺機器やハードウェア、ソフトウェアを補うために、本体のスイッチでクロック周波数を切替える事により、両者の互換性を実現させたと言う訳です。因みに、当時のパソコンはCPU速度=FSB速度(もっとも当時はCPU速度倍率の考え方すらありません)であり、今でこそCPUやFSBのクロックは数100MHz単位で向上していますが、当時は数MHzでも大変貴重な性能向上でした。

私は、このマシンを入手した当時は、まだ、ハードディスクは、一般には普及していなかったため、フロッピーディスクのみで運用していました。その後、ハードディスクが普及し始め、拡張スロットに内臓できるタイプのハードディスクを入手しましたが、ドライブの回転不良で故障してしまいました。今でも役に立ちそうなデータで中身がいっぱい詰まっていたのですが、何だか運が悪いです。でも長年のハード的寿命ですから仕方ありません。ハードディスクから何時もと違うシーク音が聞えたり、時々、起動しなくなったりしたら、そろそろ寿命かも知れません。結局は定期的なバックアップが大切ですね。反省してます。

アマチュア無線のパケット通信の端末として、「MTERM」などを専用に動かしていた時期もありました。更にはBASIC言語で自作したRBBSのプログラムも良く実験したものでした。

「シムシティ」というゲームがありますが、登場当時、このゲームを動かしたいために、マウスとFM音源ボードを入手しました。そのマウスは今では6号機のPC98BXに接続されて有効活用されております。

そのうちに、内蔵の5インチフロッピーが下火になってきたので、ドライブベイ(と言うのかな?)に置換え内蔵形の3.5インチフロッピードライブユニットを収めていましたが、これも代換機に移植しました。

実は、私のこのマシン、数年前に誘導雷により故障してしまいました。ROM-BASICは起動するのですが、HDD、FDDからは起動しません。パソコン通信用のアナログモデムを接続していたので、そこから回りこんだのではないかと推測されます。そんなわけで、今となっては懐かしいROM-BASIC実験用マシンとして保存してあります。

さすがにこれだけ普及したPC98シリーズです。拡張には不自由しません。


NEC PC9801VM21 私の2号機の代換機「PC-9801VM21」です。こちらは、CPUにV30のみを搭載した普及機です。

近所の方からジャンク扱いで譲っていただきました。きちんと動作するか不安でしたが、確認の結果、見事、完動品でした。2号機のPC98VXから、キーボード、3.5インチFDDユニット、RAMボード、FM音源ボード、拡張RS-232Cボード、電源ケーブルなどを移植しました。CPUがシンプルになりましたが、実は、今、この原稿をこのマシンで打ちこんでいます。今時のマシンと比べると確かに動作が「カクカク」と気になりますが、テキストエディターと日本語入力FEPぐらいなら、何とか実用範囲です(苦笑)。htmlのタグを含めて、このマシンで完全WEB原稿を打てるのは、基本となる文字コードの汎用的な仕様の素晴らしさと共に、フロッピーディスクの互換性規格化や、インターネットの共通規格化の素晴らしさを実感できます。もっとも、画像や、音声、動画までは処理機能が追いつきません(笑)。

そんな訳で、時々、古いソフトウェアを引っ張り出してきては実行させて、懐かしがっています。今時フロッピーベースで現役な、超ロングランマシンです。


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